「ダイヤモンド経営者倶楽部特別賞」受賞記念メッセージ

株式会社八芳園　代表取締役社長　長谷 晴義 様

ご承知の通り、2020年はコロナ禍が直撃し、私たちの業界は大きな影響を受けました。緊急事態宣言下では、約2か月の休館を意義なくされ、主事業である結婚式やバンケットも、ほとんどが延期や見直しとなりました。

そういった強烈な逆風の中で、まず手がけたのは根本的な出金の見直しでした。とはいえただ切り詰めるのではなく、これまで外注で対応していたものを内製化するなど、緊急の止血を優先しながらも、中長期的なビジネスモデルの検証を行っていきました。私たちの事業はこれまで「集客」がすべての入り口になっていましたから、コロナ禍によってその前提を考え直さなくてはいけなくなったからです。

その一つとして、オンラインでの下見を行なっていただく仕組みを作りました。現地に来なくてもバーチャルの環境下で、会場の雰囲気を理解して頂くと同時に、ヒアリングした内容を企画書に落とし込み、より具体的にそしてリアルに結婚式をイメージして頂こうというものです。

また新たな結婚式のカタチとして「リビングルームウエディング」というサービスも立ち上げました。「会場とオンラインでつないだご自宅のリビングで 会場との一体感を感じながらともに婚礼コース料理を囲み、お過ごしいただく」、今までにないスタイルの結婚式です。

▲サービスイメージ　https://www.happo-en.com/livingroom_wedding/

新郎新婦様は会場にお越しいただき、親族、同級生、会社の仲間など、複数のコミュニティを作って、それぞれに交流を深めながら、私たちがお届けするミニコースを楽しんでいただくものです。ご自宅のリビングなど、それぞれがお好きな場所から会場とオンラインでつながり、会場との一体感を楽しみながら、料理を囲みお過ごしいただく。さまざまなライフスタイルが存在する今に合わせた、新しい結婚式のかたちです。

すでに引き合いも多くいただき、コロナ禍の緊急対応というだけでなく、将来的にも新しい結婚式のスタンダードの一つになっていく可能性も感じています。物理的にも時間的にも金銭的にも、今までの結婚式に参加することの制約を減らし、より手軽に多くの方と”結婚式というハレの舞台”を入り口に、交流する機会がつくれるようになるからです。

この考え方は、結婚式以外にも展開できると考えています。直近でも、打合せから集客、当日の運営まで、オンラインでワンストップ対応する法人向けサービス「TSUDOI」を立ち上げました。私たちが長年培ってきた、イベント運営のノウハウや自慢の料理メニューなどを最大限に発揮して、新たな時代に対応する人と人とのふれあいのカタチを創り出していきたいと考えています。

▲サービスイメージ　https://www.happo-en.com/event/tsudoi/

私たちの大きな財産として、受け継がれてきた歴史と存分に四季を体感できる自然豊かな庭園があります。今でこそインバウンド市場は停滞気味ですが、外国からお越しになられた方に、日本の魅力を伝える場所としては絶好の施設だと自負をしています。

▲以降の写真3点は、八芳園ホームページより転載

また近年、伝統産業や伝統芸能は衰退傾向にあると言われますが、私たちがそのお役に立てることは少なからずあると感じています。さらに食の産地の応援をはじめ、日本の文化発信や地方創生などを次なるテーマとして、私たちらしいビジネスモデルをつくりあげていきたいと考えています。