【特別賞】受賞記念メッセージ ナガオカ 長岡 香江 様
「ダイヤモンド経営者倶楽部特別賞」受賞記念メッセージ
株式会社ナガオカ 代表取締役社長 長岡 香江 様
このたびは「ダイヤモンド経営者倶楽部特別賞」の受賞の機会をいただき誠にありがとうございます。大変光栄に存じます。
2020年は私たちナガオカグループにとって、記念すべき80周年となる年でした。しかし予想もしなかったコロナ禍の拡大によって、ご多分に漏れず私たちもさまざまな影響を受けてきました。
例えば80周年イベント。これまでお世話になった方々をお招きして、かなりの規模で開催する予定でしたが、2度にわたる延期の上、コロナ禍の収束を待っている状況です。またミュンヘンなど、海外のショーにも積極的に出ていく予定でしたが、ほとんどのショーがオンライン開催やキャンセルとなってしまいました。業績面で言えば、4月以降の緊急事態宣言により大手小売店の多くが営業自粛をしたことから、卸売部門が大きなダメージを受けたりもしました。
ただ一方で、近年の積極的な改革や挑戦の積み重ねの成果もあって、こういった逆境下や変化に強い会社になっていること、社員そして組織の実力が格段に上がってきたことを実感する機会にもなっています。
ありがたいことに、前期の数字もコロナ禍以前の堅調さに助けられ、増収増益を続けることができました。特に山形を中心とした、ブローブピンやダイヤの加工、チップなど、精密部品の製造はここ半年間、絶好調とも言える状況が続いています。
未来を見据えた商品開発も積極的に進めています。レコード針カートリッジの80周年モデルは、まずヨーロッパで先行して発売し、大きな話題になりました。「ナガオカが数十年ぶりに新カートリッジ開発に真剣に取り組みはじめた」と認識していただいたことが、今後のさらなる成長の起点になりそうです。
ナガオカの使命としてこれからもレコード文化を守り続けるという想いを込めて、往年の「ジュエルトーン」ブランドを復活させ、「JEWELTONE JT-80」の名称で80周年を記念した新モデルを発表しました。
おかげさまで、2020年度グッドデザイン賞や月刊ジャズジャパンアワード2020のベストオーディオ機器賞を受賞したほか、海外の雑誌やメディアでも取り上げていただき、高評価をいただいております。
新ブランド「LUSVY」の立ち上げも、2020年の新たな挑戦のひとつです。レコードの愛好家やシニア層には、ナガオカの名前は知られていても、若い年代にはほとんど知名度がなく、その層に向けた商品を作っていきたかったこと。私自身が女性であることから、女性向け市場を開拓していきたかったこと。人生100年社会に向けて美容や健康をテーマにしていきたかったことなどが、その理由として挙げられます。
「LUSVY」では、これまでのナガオカとは少し違った、ポップでカラフルなデザインを押し出し、これまでにイヤホンや美容機器の2種類の商品を発売しました。
今後のテーマとしては、ブランドの再構築が大きなポイントになってきます。ナガオカの培ってきた歴史や実績を踏まえ、さらに新時代に向けた新しい世界観を発信していきたい。なかなか大きなイベントが手掛けられない制約がありますが、逆境の中でどのように事業をよりよく発展させていくか、今後も事業を通じて社会に貢献できる会社であり続けられるか。そこが私たちの真価が問われるところだと思います。
選ばれる安心感と信頼、その揺るぎないブランド力を形づくり、今後さらに創業100年を笑顔で迎えられるように、弛まぬ努力と進化を続けていきたいと考えています。