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特別インタビュー「コロナ禍でヤクザも新たなシノギに動く! 経営者が知っておくべき非常時の反社対策」

2020/05/25

企業リスクの調査や危機管理、コンプライアンス対策、警護・警備などの事業を手掛け、なかでも反社会的勢力チェックや反社対策における独自のノウハウが注目される株式会社エス・ピー・ネットワーク

 

 

現在、コロナ禍における企業の危機管理や社内体制のありかたなどについて、日々多くの情報(レポートやコラム)を発信しているが、その中の一つに同社社長の熊谷信孝氏が連載している『危機管理おやじのつぶやき』がある。

その最新テーマが、「やくざもコロナ対策本格化!新たなシノギに要注意!」。非常にキャッチーな見出しだが、経営者にとっては目からウロコかつ重要な内容ばかり。そこで今回あらためて深くお話しを伺い、知っておくべきポイントをまとめてみた。

 

「コロナ禍でヤクザも新たなシノギに動く! 経営者が知っておくべき非常時の反社対策」

 

― 先日、10万円の特別定額給付金の支払いのニュースで、関西の暴力団の幹部が「そんな金はいらん」と言ったことが話題になりました。

ニュースにもあった通り、申請しない組長は多いでしょうね。彼らはメンツで生きていますから、そんなかっこ悪いことはできないと考えているでしょう。ただ幹部がそう話すことで、末端の組員まで受け取りにくい雰囲気になったら彼らはつらいでしょうね。今は自粛によってシノギに多くの制約が出てきていますから。

― 例えば、どのあたりに影響が出てきているのでしょうか

分かりやすいところでは、飲食店などのみかじめ料。飲食店は自粛による休業が続き、経営体力が弱ってきていますし、特に”三密”の象徴とされるクラブやスナックなどは、自粛解除後もまだしばらく厳しい環境が続くでしょう。業界全体が大きく変わっていくかもしれません。

また風俗店も客足が大幅に遠のいています。他にも闇カジノであったり、テキヤであったり、彼らが軸足を置いているのが、自粛によって大きなダメージを受ける業界であることが多いですから、今までのやり方だけでは稼げない現状が出てきています。

― 一方で、暴力団幹部はコロナ感染時のダメージが大きいという話題もありました

暴力団は高齢化が進み、トップは70代80代の人が多いですからね。そもそも過度な酒・タバコ・クスリの影響で、みな何らかの疾患を持っていたりします。入れ墨も感染症リスクを高めたり、肝臓への悪影響、皮膚呼吸障害など内臓にかなり負担がかかっています。「コロナに感染すると重篤化するリスク」を見事に兼ね備えている人たちばかりですから、感染防止には気を使っていると思います。山口組の若頭が超高級のマスクをつけているのもニュースになっていましたよね。収益面でも組織面でも、組の維持のためにピリピリしている分が多いのではないでしょうか。

― このような環境下で、シノギにはどんな変化が表れているのでしょうか

まずその前に、彼らの行動になる前提が3つあります。それは、①自らのシノギで生計を立てること、②上部団体への上納をしなければならないこと、③コンプライアンスを考慮することなくシノギの手段を考え実行出来るということ。組織という意味では会社に似ていますが、考え方や行動のパターンはここが根幹的に違います。

そして近年の暴力団排除条例(暴排条例)や暴力団対策法による警察の取り締まり強化で、暴排条例などの対象とはならない「準暴力団・半グレ集団」が実働部隊となるなど、暴力団と一般人の間の壁が見えにくくなってきたこと、ここにも留意する必要があります。

― ではそういった流れのなかで、注意点も踏まえて個別例をお聞かせください

【1】特殊詐欺

まず特殊詐欺があります。特に今回はコロナ対策の助成金がいくつもあり、日本中で多くのお金が動くわけですから、そこが狙われるのは自明でしょう。預金口座情報を取得しての詐欺や、申請業者になりすました助成金不正受給詐欺、助成金申請のアドバイスと称して高額手数料をかすめ取る詐欺などが想定されます。

一方その実行犯は、実行内容によってグループ分けや役割分担をして、捜査の手が自分達に及ばないカタチを目指すため、一般人を巻き込んでいくことが想定されます。特に、コロナ禍で収入が減り困窮している高齢者や若年層は絶好のターゲットですし、そうでなくても在宅勤務が増えて、誰もがインターネットにアクセスしている時間が増えている。ごく普通のサラリーマンでも知らない間に、あるいは会社に内緒で副業として首を突っ込んでしまう可能性があります。

【2】違法薬物の販売

違法薬物の販売も同じ注意が必要でしょう。人目を避けて「ブツ」を受け取ることのリスクを避けるため、インターネットを入り口とした宅配が用いられたりしますが、その場合も業者を使わず、特殊詐欺の受け子のように自分達に足がつかないような策を使います。例えば、自宅へのデリバーリーが増えており、今まで以上に疑われ難くなっているほか、「隠語」を用いることで、違法な商品であることを知られないようにハードルを下げたりとか。バイト代がいいからなどと不用意に飛びつくと、「まったく自覚なく麻薬の受け渡しをしていた」「そのせいで逮捕された」などといった悲惨な目にもあいかねません。

【3】インターネットカジノ

バカラ、ルーレット、スロット賭博などの摘発は、最近でも相次いで報道されていますが、今までのような「箱もの」(リアルな空間)として、マンションや事務所を改造して利用するのではなく、ガサ入れのリスクと家賃等の支払いを避けるためも、ネット空間を使った賭博にシフトしていく動きが加速することが考えられます。

また、各種スポーツも無観客でのテレビ放映やインターネット配信の拡大により、野球賭博などの「スポーツ賭博」や、公営ギャンブルである競馬、競輪、競艇などをインターネット使った「ノミ屋」なども広がっていく可能性があります。

利用者にとっても、自宅から気軽に参加できることから今までのような罪悪感がなく、デジタル決済などの進化ですぐに手を出しやすい。ましてや外出自粛でのストレス発散と一角千金も狙えるとなれば、利用者の増加や投入金額の増加も見込め、まさに良いシノギになるはずです。

【4】その他、インターネット関連

違法な取引に直接関与するところまでいかないまでも、そういった情報を提供するグレーなサイトでは、特殊詐欺などのための個人情報の抜き取りが行われるケースがままあります。さらにテレワークにより、自宅などで会社のシステムにアクセスする機会も増えますから、セキュリティの不備に乗じてハッキングされるリスクも増えます。さらに怖いところでは、高額な報酬で会社や顧客などの個人情報を含む各種情報を横流しするように誘い込むなどといったことも考えられます。

【5】性ビジネス

風俗店営業がコロナ以前の状態に戻るには相当の期間が必要であり、その間のつなぎや新たなビジネスに活路を見出そうとする動きは活発になるでしょう。例えば、アダルトサイトの配信や違法なデリバリーだったり、トラブルが起きても被害者(買う側)が申し出にくい業界であることから、つけこみやすい領域と言えます。特にテレワークで自宅やホテルなどで仕事をする人が増える環境下では、そういった誘惑にかかりやすい要素が増えます。

【6】闇金ビジネス

国からの助成金や支援金融資の遅れなどに窮した、個人や中小企業等に対しての違法な融資、いわゆる「闇金ビジネス」の広がりも考えられます。借りる側もその後の支援金や融資に期待して、少々高い金利でも手を出しやすい面があるからです。

 

― 総じていうと、コロナ禍によって生活が困窮する人が増えることで発生する犯罪への温床。困窮とまではいかなくても収入が減ったことや、精神的なストレスを解消したい思い、オフィス外の自由度が高い環境で働くことが増えたことなどで、罠に陥るリスクが高くなる。そのあたりが注視すべきポイントでしょうか。

暴力団などの反社会的勢力は、絶えず新しいシノギのネタを探していること。そして現在のような社会的に混乱した時期こそ付け入るチャンスがあるとみて、新たな企業や個人をターゲットにしてくるということを、まず知ってください。

これまで以上に厳格な顧客管理や、働き方改革に伴い見えにくくなりがちな社員の行動管理を徹底していくこと、社員への研修・教育の重要性を再認識していただくことをお願いしたいと思います。

また、これまでの企業の反社チェックは、その対象が反社会的勢力かどうか、その「属性要件」を中心に考えることが一般的でした。しかし今は、このような暴力団等の反社会的勢力の手口(あるいはその変化)をとらえて、反社会的勢力が起こしやすい一般事件等を含めた「行為要件」にまで監視を怠らない必要性が出てきたと考えています。


株式会社エス・ピー・ネットワークHPから

 

そういった反社対策は、非常に特異なノウハウが必要になります。私たちは20年以上に渡り、反社の情報収集、社内のコンプライアンスチェック、万が一関係を持ってしまった際の反社対応の立案、研修などによる社内意識の徹底など、この領域に特化して事業を展開してきた会社であり、多種多様な知見を持っています。不安や懸念、今後の体制改革の必要性を感じていられたら、是非お気軽にご相談ください。

コロナ禍が落ち着いたあと、皆さんがしっかり本業に集中できるように、細心の注意と準備で今の大変な時期を乗り切りましょう。

 

株式会社エス・ピー・ネットワーク会社概要

代表取締役社長    熊谷 信孝

〒167-0043東京都杉並区上荻1-2-1 Daiwa荻窪タワー
電話       03-6891-5556
創業       平成8年3月18日(設立:平成元年12月1日)
資本金    3億1625万円
従業員数 320名
事業内容    企業危機管理の専門会社。法務・広報からITに関する企業危機管理コンサルティング及び危機管理実践対応。又、危機管理的警備の実施

https://www.sp-network.co.jp/

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